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5Sとは?整理・整頓・清掃・清潔・しつけで作業効率を上げる方法

2025.11.20
豆知識

第1章 5Sとは?製造業でなぜ重要視されるのか

製造業の現場では、「まずは5Sから」と言われるほど、5S活動は基本中の基本とされています。
しかし、あらためて「5Sとは何か?」と問われると、正確に説明できないという担当者も少なくありません。5Sは単なる掃除や整理整頓のことではなく、職場の環境を整えることで人・モノ・情報の流れをスムーズにし、生産性と品質を高めるための基礎的な仕組みです。

 

5Sの意味と由来

5Sとは、日本の製造業から生まれた改善活動の一つで、次の5つの言葉の頭文字を取ったものです。

 

・整理(Seiri):必要なものと不要なものを区別し、不要なものを処分する

 

・整頓(Seiton):必要なものをすぐに取り出せるように配置する

 

・清掃(Seisou):常に掃除を行い、汚れや不具合を発見できる状態にする

 

・清潔(Seiketsu):整理・整頓・清掃の状態を維持し、標準化する

 

・しつけ(Shitsuke):決めたルールを守る習慣を身につける

 

これらを実践し、現場が「安全・快適・効率的」に動くようにするのが5Sの目的です。
つまり、5Sは職場をきれいにする活動ではなく、ムダやムラ、ムリを減らす“改善の土台”なのです。

 

製造業で5Sが重視される理由

製造業では、品質・納期・コストといった成果が現場の一つひとつの作業に直結しています。
たとえば、工具の置き場所がバラバラだったり、部品を探す時間が多かったりすると、ほんの数秒のムダが積み重なって生産効率が低下します。
5Sを徹底することで、必要なものがすぐに見つかり、設備や部品の状態も常に把握できるようになります。結果として、作業ミスの削減・設備トラブルの早期発見・安全性の向上といった効果が生まれます。

 

また、5Sは品質管理やカイゼン活動の第一歩とも言われています。
「不良が出た原因を見つけやすくする」「異常を早期に発見する」「誰でも同じ品質で作業できる環境を作る」――これらはすべて、5Sが整っている職場だからこそ実現できることです。

 

5Sは企業文化を作る活動でもある

さらに、5Sは単なる現場改善にとどまらず、従業員の意識改革やチームワーク強化にもつながる活動です。
整理整頓ができた職場では、働く人の気持ちも前向きになり、ミスや事故を防ごうという意識が自然に芽生えます。
また、全員が同じルールのもとで行動することで、社内に「守るべき基準」が生まれ、組織全体の一体感が高まります。

 

このように、5Sは単なる現場の美化運動ではなく、企業の土台を強くする経営活動の一部とも言えます。
多くの製造業が5Sを重要視するのは、作業効率の向上だけでなく、「社員の意識」「品質」「安全」「企業文化」までもが良い方向に変わっていくからです。

 

次の章では、5Sの5つの要素――「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」――をそれぞれの具体例とともに、現場でどう実践すべきかを詳しく解説します。

 


 

第2章 5Sの5つの要素を具体的に理解する

5S活動の核心は、「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という5つの要素を、現場で実際の行動として習慣化することにあります。
言葉では簡単に聞こえますが、それぞれの“S”には明確な目的があり、順序立てて実施することで初めて効果が現れます。ここでは、5Sの5つのステップを具体例を交えながら解説します。

 

1. 整理(Seiri)― 不要なものを取り除く

整理とは、「いるもの」と「いらないもの」を区別し、不要なものを処分することです。
製造現場では、壊れた治具、使わない工具、古い部品などがそのまま置かれているケースが多く見られます。

これらはスペースを圧迫し、必要なものを探す時間を増やす原因になります。
整理のポイントは、「今、使っているかどうか」で判断すること。半年以上使っていない物は“不要”と考えるのが基本です。
整理が進むと、現場が広くなり、作業の動線もスムーズになります。

 

2. 整頓(Seiton)― 必要なものを使いやすく配置する

整頓は、必要なものを「使いやすく」「すぐに取り出せるように」配置することです。
たとえば、工具を作業ごとに同じ位置に戻す「定位置管理」や、工具の形に合わせて収納する「影絵保管」は代表的な整頓の例です。
整頓の目的は、探す時間をゼロに近づけること。
誰が作業しても同じ場所に同じものがある状態を作れば、作業のムダが減り、品質も安定します。
「使ったら戻す」「決められた位置を守る」というルールを徹底することで、現場のリズムが整っていきます。

 

3. 清掃(Seisou)― 汚れを落とし、異常を発見する

清掃とは、単に掃除をすることではなく、「掃除を通じて異常を見つける」活動です。
機械や設備をきれいに保つことで、油漏れや振動、異音などの小さな変化に気づきやすくなります。
たとえば、毎朝5分間の「清掃点検」を行うだけでも、設備の故障予防につながります。
現場をきれいにすることで、安全意識も高まり、事故の防止にも効果的です。
「清掃=点検」と捉えることが、真の5S活動につながります。

 

4. 清潔(Seiketsu)― 良い状態を維持・標準化する

清潔は、「整理・整頓・清掃」を続けて行い、良い状態を保つ段階です。
清潔な職場とは、単にきれいという意味ではなく、「誰が見ても、整った状態が当たり前になっている」状態を指します。
そのためには、標準ルールを作り、全員が同じ基準で維持できるようにすることが重要です。
たとえば、「工具は使用後10分以内に定位置へ戻す」「清掃チェックリストを毎日確認する」といったルールを明文化し、視覚的に管理することで清潔が保たれます。

 

5. しつけ(Shitsuke)― 習慣化し、守る文化を育てる

最後の「しつけ」は、5Sの中でも最も重要であり、最も難しい段階です。
整理・整頓・清掃・清潔を行っても、それを継続できなければ意味がありません。
しつけとは、決められたルールを全員が守り、自然に行動できるようにすること。
たとえば、上司が率先して清掃を行う、チェックシートを活用して互いに確認し合うなど、習慣を育てる工夫が必要です。
5Sが根づいた現場では、「やらされている活動」から「自分たちの仕事を良くする活動」へと意識が変化していきます。

 

まとめ:5Sは順番と継続が鍵

5Sの5つのステップは、単独で行うものではなく、順序と継続が大切です。
「整理」でムダをなくし、「整頓」で効率化し、「清掃」で異常を見つけ、「清潔」で状態を保ち、「しつけ」で文化にする。
この流れを繰り返すことで、職場は自然と改善され、品質・安全・生産性のすべてが向上します。
5Sの本当の価値は、「きれいな職場」ではなく、「考えて動く人を育てる仕組み」にあるのです。

 

次の章では、5Sを実践することで得られる具体的なメリットを詳しく解説します。
「どんな効果があるのか」「どのように成果が見えるのか」を知ることで、5Sへの理解がさらに深まるでしょう。

 


 

第3章 5Sを実践するメリットとその効果

5S活動を継続的に実践することで、製造現場にはさまざまな良い変化が生まれます。
一見「地味な取り組み」に思えるかもしれませんが、5Sは生産性・品質・安全性といったすべての基盤を支える強力な手段です。ここでは、実際に得られる主なメリットを具体的に紹介します。

 

1. 作業効率が向上する

5Sの最大の効果は、作業効率の向上です。
「整理・整頓」によって不要なものがなくなり、必要なものがすぐに取り出せるようになることで、探す時間が劇的に減少します。
例えば、部品を探すのに毎回30秒かかっていた作業が、定位置管理により5秒で済むようになれば、1日数百回の積み重ねで大きな時短効果が生まれます。
また、工具や資料の位置が明確になることで、作業の流れがスムーズになり、段取り替えや検査のスピードも向上します。
結果として、「ムダな動作の削減」=「生産性の向上」につながるのです。

 

2. 品質が安定し、不良が減る

5Sを徹底することで、製品の品質にも大きな効果が現れます。
整理・整頓・清掃によって職場が整えば、異常や不具合をすぐに発見できるようになります。
たとえば、清掃中に「いつもと違う音がする」「油漏れがある」などの小さな変化に気づくことで、重大なトラブルを未然に防ぐことができます。
また、道具や部品が定位置にあることで、誤使用や取り違えを防げます。
このように、5Sはミスや不良を出さない仕組みづくりそのものと言えるのです。

 

さらに、「しつけ(習慣化)」が進むことで、作業者一人ひとりが品質への意識を持つようになり、自然とミスが減少していきます。

 

3. 安全性が高まり、事故を防止できる

整理・整頓の進んだ現場では、通路が確保され、足元に障害物がなくなります。
これにより、つまずきや転倒などの労働災害を防ぐことができます。
また、清掃を通じて機械や設備の異常に早く気づくことで、設備事故や火災の予防にもつながります。
例えば、油漏れや金属粉の堆積といったリスクを早期に取り除ければ、重大事故を未然に防止できます。
5Sを続けることは、作業者の命と安全を守る“リスク管理”でもあるのです。

 

4. 職場環境とモチベーションが向上する

きれいで整った職場は、働く人の意識とモチベーションを高めます。
汚れた現場や乱雑な環境では、どうしても「仕事に対する誇り」が持ちにくくなります。
反対に、整理整頓が行き届いた現場では、「自分たちの職場を良くしている」という達成感が生まれ、チームワークも強化されます。
また、5Sを通じて社員同士が協力し合う機会が増えることで、コミュニケーションの活性化にもつながります。
このように、5Sは単なる清掃活動ではなく、「人の意識を変える活動」でもあります。

 

5. コスト削減と利益率の改善につながる

ムダな動作が減り、不良や事故が少なくなることで、自然とコスト削減が実現します。
例えば、工具や部品の管理が徹底されれば、紛失による再購入が減り、材料費や保管コストの無駄も減少します。
また、効率化によって作業時間が短縮されることで、同じ人員でもより多くの生産が可能になります。
結果として、利益率の向上や納期短縮といった経営的なメリットをもたらします。

 

まとめ:5Sは「見える効果」と「見えない効果」の両方がある

5Sの効果は、単に目に見える現場の変化だけではありません。
作業効率や品質向上といった数字に表れる「見える効果」はもちろん、社員の意識改革や職場の雰囲気改善といった「見えない効果」も大きな価値を持ちます。
継続的に取り組むことで、5Sは単なる作業管理から企業文化そのものを変える仕組みへと成長していきます。

 

次の章では、5Sの落とし穴やデメリット、そして多くの企業がつまずくポイントを取り上げます。
「5Sを始めたけれど続かない」「形だけになってしまう」といった悩みを解決するヒントを具体的に紹介します。

 


 

第4章 5Sのデメリット・よくある失敗例:形だけの活動にしないために

5Sは多くの製造業で導入されている基本活動ですが、残念ながら「うまくいかない」「最初は盛り上がったのに続かない」という声も少なくありません。
5Sそのものに欠点があるというよりも、やり方や意識の持ち方を誤ることでデメリットが生じるのです。
ここでは、5Sが形骸化してしまう典型的なパターンと、その防止策を紹介します。

 

1. 形だけの「見た目5S」になってしまう

最も多い失敗例が、「きれいに見せること」が目的化してしまうケースです。
床を塗り替え、工具を色分けし、棚をラベルで統一する――一見整っているように見えますが、現場での作業効率が変わっていなければ、それは“見せるための5S”です。

 

5Sの本来の目的は、作業のムダを減らし、安全・品質・効率を向上させること。
見た目の美しさは結果であって目的ではありません。
「この配置はなぜ必要か?」「どうすれば作業が早くなるか?」といった目的意識を持った5Sにすることで、見た目だけでなく実質的な改善が進みます。

 

2. 一部の人だけが頑張ってしまう

5Sがうまくいかない職場では、担当者やリーダーだけが動いてしまい、他の社員が「やらされている」と感じてしまうことがあります。
この状態になると、5Sは一過性のイベントのように終わってしまい、継続しません。

 

5Sは全員参加型の活動であることが成功のカギです。
現場の意見を取り入れながら、誰もが自分の持ち場でできる工夫を実践できる環境をつくることが大切です。
「自分たちの職場を自分たちで良くする」という意識が根づけば、自然と活動が広がっていきます。

 

3. 維持・継続ができない

最初の数か月は熱心に取り組んでも、時間の経過とともに元の状態に戻ってしまう――これもよくある失敗です。
原因は、「維持の仕組み」がないこと。
たとえば、「清掃チェックリストの記入が形だけ」「定位置から物がずれても誰も注意しない」など、ルールを守る意識が弱まると、5Sはすぐに崩れます。

 

対策としては、標準化と見える化が重要です。
ルールを明文化し、写真やマークで誰でも判断できるようにすることで、一定の状態を保ちやすくなります。
また、定期的に「5Sパトロール」や「職場内監査」を行い、良い点・改善点を共有する仕組みも効果的です。

 

4. 改善が止まり、マンネリ化する

5Sが定着すると、現場が整いすぎて「もうやることがない」と感じる段階に入ることがあります。
しかし、改善には終わりがありません。
作業方法やレイアウト、使う道具は常に変化します。
現状維持を目標にしてしまうと、せっかくの5Sが「惰性の活動」になってしまいます。

 

そこで大切なのが、5Sをベースにした継続的改善(カイゼン)活動です。
「もっと効率的にできないか」「この工程のムダを減らせないか」といった問いを持ち続けることで、5Sが次のステップへ発展します。
つまり、5Sは「終わりのない成長活動」と捉えることが重要です。

 

5. 現場と経営層の温度差がある

もう一つの落とし穴は、経営層と現場の温度差です。
トップが5Sの意義を理解せず、「とりあえずやっておけ」という指示で始めた場合、現場のモチベーションは上がりません。
逆に、経営層が5Sの成果を定期的に確認し、感謝や評価を伝えると、現場の士気は大きく向上します。

 

5Sは、経営層と現場が一体となって推進する活動です。
トップの関心が現場を動かす原動力になることを忘れてはいけません。

 

まとめ:5Sを「目的」でなく「手段」として捉える

5Sの失敗の多くは、「5Sをすること自体」が目的になってしまうことにあります。
5Sはあくまで、作業効率を上げ、品質を守り、安全な職場をつくるための“手段”です。
「なぜやるのか」を全員で共有し、継続的に改善していくことこそが成功の鍵。
形だけの活動ではなく、現場の成果につながる“生きた5S”を目指すことが大切です。

 

次の章では、5Sを現場で定着させるための具体的な仕組みづくりと、継続のコツを解説します。
「どうすれば続くのか」「社員全員を巻き込むにはどうすればいいのか」と悩む担当者に向けた、実践的な内容です。

 


 

第5章 5Sを定着させるためのポイントと成功のコツ

5Sは、始めることよりも続けることの方が難しい活動です。
どんなに立派な仕組みを作っても、数か月後には元の状態に戻ってしまう現場も少なくありません。
しかし、5Sがしっかりと定着すれば、現場は常に整い、品質・安全・効率のすべてが自然に維持されるようになります。
ここでは、5Sを現場に根づかせるための実践ポイントを紹介します。

 

1. 「目的」と「効果」を全員で共有する

5Sが続かない最大の理由は、「なぜやるのか」が共有されていないことです。
「上司に言われたから」「決まりだから」では、誰も本気になれません。
まずは、5Sの目的――ムダを減らして効率を上げる、安全で快適な職場をつくる、品質を守る――をチーム全員で理解することが第一歩です。

 

また、活動の成果を“見える化”することも大切です。
例えば、整理整頓を行ったことで「探す時間が1日30分短縮できた」「不良率が2%下がった」といった成果を数値や写真で共有すれば、メンバーのモチベーションが上がり、自然と継続しやすくなります。

 

2. 小さな成功を積み重ねる

5Sは一気に完璧を目指す活動ではありません。
むしろ、日々の小さな改善を繰り返すことで成果が積み重なっていきます。
たとえば、「工具を使いやすい順に並べる」「通路を明確に線引きする」「掃除用具を近くに置く」など、すぐに実行できる改善を優先すると、達成感が得られやすくなります。

 

こうした“小さな成功体験”を繰り返すことが、継続のモチベーションになります。
はじめから大掛かりな改革を目指すよりも、「今日できる5S」から始めることが定着の近道です。

 

3. リーダーが率先して取り組む

現場に5Sを浸透させるには、リーダーの姿勢が欠かせません。
上司が机の上を散らかしたままでは、部下に整理整頓を求めても説得力がありません。
逆に、リーダーが自ら現場を清掃し、ルールを守る姿を見せることで、自然と周囲も動き出します。

 

5Sは「指示する活動」ではなく、「見せる活動」です。
リーダーが率先して手を動かすことで、5Sの価値が行動で伝わります。
このような“見本の文化”が根づくと、5Sは自律的に続いていきます。

 

4. 継続の仕組みを作る

5Sを一時的な取り組みで終わらせないためには、仕組み化が必要です。


たとえば、以下のような仕組みを導入することで、自然と5Sが回り続けます。

 

・毎朝5分の「5Sタイム」を設定する

 

・月1回の「5Sチェックリスト」で状態を確認する

 

・改善事例を掲示板や社内SNSで共有する

 

・優秀なチームを表彰する「5Sコンテスト」を開催する

 

このような仕組みがあると、5Sが日常業務の一部として定着します。
「やらなければならない活動」から「やって当たり前の習慣」に変わることが、定着の理想形です。

 

5. 評価と感謝を忘れない

5S活動は、目に見える結果が出るまで時間がかかることがあります。
そのため、取り組んでいる人への評価と感謝が欠かせません。
たとえ小さな改善でも、「きれいにしてくれてありがとう」「この工夫、助かったよ」と言葉で伝えることで、モチベーションは大きく変わります。
また、社内報や掲示板などで「成功事例」を共有することで、他の部署にも良い影響が広がります。

 

人は「認められる」と続けられる――これは、どんな5S活動にも共通する真理です。

 

まとめ:5Sを“文化”として育てる

5Sを定着させる鍵は、「仕組み」と「意識」の両立です。
ルールを作るだけでなく、現場の一人ひとりが目的を理解し、自ら考えて動けるようになることが理想です。
5Sが根づいた職場では、指示がなくても整理整頓が行われ、清掃が自然と続きます。
それはもはや作業ではなく、企業文化として息づいている状態です。

 

5Sは、単なる環境整備ではなく、「人と組織を強くする仕組み」です。
小さな一歩を積み重ね、現場の全員が“気づいて動ける職場”を目指しましょう。